私が読んだ中で、面白い・役に立つと思った書籍のご紹介です。古い本もあります。(今までサイドバーに置いていましたが記事にまとめました)
何を着ればよいのかということ
チープ・シック―お金をかけないでシックに着こなす法
カテリーヌ・ミリネア キャロル・トロイ 片岡 義男
「ちゃんとしたベーシックを自分のセカンド・スキンにしてしまい、あとは自分が何を着ているかなんて忘れてしまって他のことにエネルギーを注ぎ込む心地よさ」(第一章からの抜粋、ちょっとごちゃまぜですが)
二十歳くらいの時にはじめて読んで、この考え方に大変感銘を受けました。またこの本にはたくさんの人へのインタビュー記事がありますが、皆それぞれに服に対する態度があって、自分のスタイルを持っています。服装は自分自身の生き方にぴったりそったものであるべき、という序章の言葉に深く頷く思いです。流行を追うより自分らしいスタイルでいたい、という方におすすめの一冊です。
最高にしっくり似合う服選び 顔パーツ診断 体型診断 色(パーソナルカラー診断)x私らしさ(服装心理)
久野 梨沙
自分の外見に対して似合う服を着ていても、自分らしいと思えない。この本は「外キャラ」「内キャラ」をそれぞれ診断し、外をベースに内を足すという方法が解説されています。「自分はこういう服が似合う外見だけど、本当はこういう服が好き」というジレンマをうまく解決できそうな本です。
4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服
みなみ佳菜
この本は「性格」をもとに似合う服を選ぶことで内面と外見の違和感をなくし、フォーマルからカジュアルの5段階シーン&「誰と会うのか」によって、相手にとっても心地よい服装を選ぶことを提案しています。
服にまつわる話、知識
服部晋の「洋服の話」 (ラピタ・ブックス)
服部 晋
著者は皇室関係の仕立ても行う「金洋服店」店主の服部晋氏。著者ならではの視点から語られる「洋服の話」はとても優しく興味深い内容でした。(個人的には、バリアフリーの話に触れておられたのも嬉しかったです)
洋裁の時代―日本人の衣服革命 (百の知恵双書)
小泉 和子
戦後、着るものも生地もない中で、焼け残った着物や毛布など使えるものは何でも使って服を作った(更生服)。これが戦後の「洋裁の時代」の始まりなのだそう。(p15より)
それまで着物主体だった日本人の衣生活が洋服に切り替わるまでの苦労と試行錯誤の時代を、懐かしい図版や写真とともに読める本です。
服地の基本がわかるテキスタイル事典
閏間 正雄 (監修)
タイトル通り、素材の特徴など服地の基本的なことを学べます。記事の写真が多いので役に立ちそう。ソーイングの生地選びや服の購入時に心強いと思います。
シニア服・介護服
みんなにやさしい介護服―手軽なリフォームから、パターンソーイングまで
岩波 君代
型紙もついていますが、既製服のリフォームの紹介のほうが多いです。他の介護服本も見ましたが、この本は「いかにも介護服」な感じがしないので、好感持てました。服というのは着る人が使いやすいようにしていいんだ、と当たり前のことに気が付きました。(笑)
布への祈り―手縫いでリフォーム
森 南海子
本の中に「前かがみの方へのパンツ」(車椅子の方にも)の製図が紹介されていたので、車椅子の母に作ってみました。まさに座った形のズボンで、座った姿勢でも背中が出ないので、なかなかいいと思います。
男子服
男のシャツの本
嶋崎 隆一郎
ベーシックなデザインのシャツの作り方の他、生地やボタンのこと・カフスや衿のことなどメンズシャツに関する色々が紹介されています。
オールシーズンのメンズ服
金子俊雄
シャツ、カットソー(Tシャツ、ポロシャツ、トレーナー、パーカ)、パンツ、アウター(カバーオール、ベスト、スタジャン)、パジャマにステテコにトランクスと、ひととおりのカジュアル服が載っています。なんか助かります(笑)。S~3Lまでの型紙付き。
パタンナー金子俊雄の本格メンズ服
金子俊雄
じつはまだ見てないんですが、著者とレビューでいい本だと確信しました。いずれ買いたいです。買ったらここ書きます。
縫い方
家庭科3だった私が365日、手作り服で暮らしています。
津田 蘭子
著者はイラストレーターさんですが、自分サイズの服を「シロウト洋裁」精神で楽しく作って楽しく着ています!という本です。ご本人はシロウト洋裁とおっしゃっていますが、かなり研究をされているなと感じます。そのうえで、気負わず作りやすく、しかも自分サイズでできるよう工夫されているのだと思います。こんなにおおらかに服を作っていいんだ、と元気がわいてきました。
ブラウスを縫おう。
かたやま ゆうこ
襟やあきの縫い方、薄い生地の扱い方など、ブラウスを縫うときに気になることが一冊にまとまっています。ソーイングを始めてからしばらくの間は、襟やあきの縫い方に関してはこれ一冊あればだいたい間に合うと思います。
増補改訂版 いちばんよくわかるロックミシンの本
日本ヴォーグ社
ロックミシンは取扱説明書だけでは正直使いこなせない。それにニット地の種類や扱い方もわからない。こういう本が一冊あるととても助かります。Tシャツ、パーカー、レギンスなどの型紙つき。
ジャケットとコートの手ほどき―プロの仕立てをきちんと学ぶ
小杉 早苗
裏地の付け方、接着芯の貼り方、細かな縫い方など、ジャケットやコートでなければ学べないことが丁寧に書いてあります。シャツやブラウスしか作ったことがなくても、この本を見ながらならきちんと一着仕上げられそうです。
型紙作り
パターンメーキングの基礎―体格・体型・トルソー原型・アイテム原型・デザインパターン・グレーディング
小野 喜代司
この本の原型は身長とバストサイズをもとに各数値を計算するので、縦の長さは補正をしなくても使える数値が多く出てきました。(また、採寸の数値をそのまま原型に活かすこともできます。)文化式だけでは背が低くて太っている母の体型の型紙がうまく作れなくて困っていたので大変助かりました。
立体である人体の表面を平面に置けるように切り開くとどうなるのか、と考えることがじっくり説明されているので、型紙(服)を作るのに必要な考え方を知ることができました。
今までほぼ文化式のソーイング本で独学していた私にとって、原型の引き方には「ここは何故こうするのか」という謎が多かったです。その謎がだいぶ解消されました。同じような状況で、服の型紙についてもっと詳しく知りたい方にこの本はおすすめです。
採寸をそのまま原型に活かせるこの方法の場合、計算に頼らず多くの箇所を正確に採寸をすれば、高齢者に多い前かがみの体型であっても原型を引くことができると思います。
この本がとても詳細だったので、文化式原型(など)の目的は「作るのが簡単で、ホームソーイングで使いやすいことを最重要視」して考案されたのかもしれない…と思い至りました。
美しく着やすい型紙補正 (Boutique books)
土屋 郁子・ブティック社
自分で服を作る理由は、既製服が体に合わないから。つまり補正は欠かせない作業なのです。何式の原型を使っていても補正方法は同様なはずなので、どなたでも参考になる本だと思います。
古い本を何度も改定を重ねて出版されているようですが、近年は「中高年齢・高年齢の体型変化と補正」が追加されているので助かります。
大きく変化してしまった体型には初めからその体型に合わせたデザインをしたほうがきれいな服になると私は思いますが、その際に補正の知識は欠かせないものと感じます。
誌上・パターン塾 Vol.1 トップ編 (文化出版局MOOKシリーズ)
文化出版局編
見頃原型の操作、袖の作図、衿の作図、これらの組み合わせで自在に服のデザインができますという内容。襟付け線のカーブの違いや襟ぐりの大きさの違いで仕上がりがどう変化するか、肩先の位置や袖ぐり底の位置の変化、カフスや袖口あきの種類などなどに加え、パターンの仕上げ方も載っていて、本当に参考になります。5~21号の原型の型紙付き。
続編が出ています
誌上・パターン塾 Vol.3 パンツ編
誌上・パターン塾 Vol.2 スカート編
誌上・パターン塾 Vol.4 ワンピース編
誌上・パターン塾 Vol.5 ジャケット&コート編