型紙も既製服も「若くて平均的な体型」に合わせているらしい?

趣味の洋裁には文化式新原型を使う人が多いと思いますが、その原型は若くて標準的な体型に合うように作られているのだそうです。

昔から洋裁には興味がありましたが、これをはっきり知ったのは文化学園のページを見てでした。最近のことです。

他にも、型紙や既製服はBカップくらいに作られているらしく(あくまでネットの情報ですが)、海外でも同様らしいことを海外のサイトを見て知りました。Bカップの型紙を補正する「フルバスト調整(FBA)」の方法が多く紹介されていました。

マンガの参考にした情報へのリンクは、記事の最後にまとめました。

既製服が体に合わなくても、自作という選択肢がある というマンガ

マンガ・洋裁(ホームソーイング)は自由だぜ!2の1ページめ
「ねえ白服さん、前回のマンガで意味の分からないセリフがあったんだけど…。”これはね、服の型紙にも通じることなのよ”っていうところ。このマンガを作っているソフトに用意されているキャラが若くてかわいい人だけなのと、服の型紙になんの関係があるの?」「うん、共通点があるなぁって思ったのよ。若くて平均的って色々恩恵があるんだなって」「共通点?どこが?」「服の型紙は、たとえば文化式新原型ならバスト・背丈・ウエストの寸法を使って指示通りに書くのだけど、そうするとあら不思議。若くて平均的な体型の型紙が出来上がるのです。謎の計算式!」「それで…?」
1ページめ
マンガ・洋裁(ホームソーイング)は自由だぜ!2の2ページめ 
「世の中には若くない人もいるし、平均的じゃない人もいる。当たり前のことよ。だけど悲しきかな…、服の型紙も既製服も、そのほとんどは、若くて平均的な体型に合わせて作られているのよ!」「ふーん、若くて可愛いキャラしかいないのと、若くて平均的な体型っていうのが、共通していると…」「うんうん、わかってくれましたか」「で…、それって、何がだめなの? 平均的なら、いろんな人に合うってことでしょ。バストサイズが合えば着られるし、丈が長かったら詰めればいいし、最近は高齢者用の服も売ってるし、べつにそれほど困らないんじゃ…」「困るのよ、大いに困るの!」
2ページめ
マンガ・洋裁(ホームソーイング)は自由だぜ!2の3ページめ 
「たとえばわたし、体型のせいで襟ぐりが後ろに引っ張られて、首がつっかえてた。サイズや丈があっていても、体の形に合わないと、着心地がとても悪いの。私は猫背&怒り肩だけど、他にも、なで肩・前肩・反身・肩甲骨が張ってる・高齢で前かがみになってるとか、胸のカップが大きいなどなど…」「胸のカップが大きい?」「そこ引っかかるか。型紙や既製服はBカップくらいを想定しているらしいわね。たとえば、ブラジャーのカップが大きい人は、バストサイズに合わせた服を着ると実際より太って見える。だって本当はバスト以外は細いんだから。トップバストが同じでも、Bカップの人とEカップの人が同じブラジャー使えないでしょ。Eカップの人にBカップの服着せてるようなものよ。男性のオーダースーツみたいに、体に合わせてフルオーダーできるお店もあるけど、やっぱりまあまあお高いし…。手頃に買いたい普段着こそ着心地良くあってほしいけど、既製服が体に合わなければそれは難しいというのが現状よ。でも幸いなことに自作するという選択肢が残っている。」「えっ?自作?」
3ページめ
マンガ・洋裁(ホームソーイング)は自由だぜ!2の4ページめ 
「白服さん、自分で服を作ろうとしているの? 型紙を自分の体に合わせて?」「そうよ。自分のだけじゃないけどね」「すっごいめんどくさくない…?」「面倒だけど、売ってなくても諦めることないの。作れるものは作ればいいんだから。我慢は体にも心にもよくない。体に合った型紙ができれば、着心地の良い服を着られるのよ。襟ぐりが動かない!安定してる!ノーストレス!うれしい!」「ノーストレス…。だからなにやら張り切ってるんだ…」「そのとおり!」「現実世界って大変ですよね…。この夢の仮想空間が現実になればいいのに。白服さんも私も、ずっと若くて可愛いままでいられるよ」「ハハハ、それができたら苦労しないわってか。そういうあんたはどんな実態なんだ?」つづく
4ページめ

参考リンク

原型のこと

冒頭にも書きましたが、2000年頃に「新」になった文化式原型は若く平均的(標準的)な体型に合うように作られているそうです。販売されている文化式新原型に使われているサイズが「B83、W64、背丈38」なので、このあたりが「標準的」な体型なのかなと思います。

この原型は、成人女子(18-24歳)の標準的な体型(バスト寸法80-90cm)を中心に適合しやすいように作られています。

文化式原型の書き方 – 文化学園ショップ

2009年頃に改定された「新ドレメ式原型」も、18~28歳くらい?の方の平均寸法をもとに作られているそうです。こちらに書き方が紹介されていました。

ちなみに、原型が標準的に出来上がっても、ここから補正をして自分の体に合わせれば良いのでがっかりしなくてよいです。(基礎的な知識がない私のような人間にとっては、トライ&エラーの長い道のりになります。汗)

※標準的と平均的は意味の違う言葉ですが、この場合は同じようなところを指していると思ったので、この記事では同じ意味で使いました。本来は「標準的」を使うのがよいのかもしれません。

型紙や既製服はBカップを想定しているらしいこと

Dカップ以上の女性のための服を作っているアパレルブランド代表へのインタビュー記事。日本のブランドです。通常のアパレルでの基準はBカップくらいとのことです。

こちらはドイツ語のブログ記事なのですが、Googleの翻訳で普通に読めます。記事冒頭で「ほとんどのパターンはBカップサイズ用に設計されている」と述べられており、Cカップ以上の場合のパターン補正(フルバスト調整・FBA)の方法が紹介されています。

英語ですが、同じくフルバスト調整の記事です。こちらにも「縫製パターンは一般的にBカップに対応するようドラフトされている」と述べられています。

こちらも英語。大きなものではなく小さなフルバスト調整、ダーツなし・簡単な方法。

なぜBカップなのかな?と思い、ワコールのブラジャーサイズ表を見てみました。A~Cカップのサイズが多い(というか幅広い、130cm超まである)ので、たぶん中間のBカップの人口が多いのかなと、なんとなく納得しました。

9AR~13ARあたり、M~LLサイズあたりが売り場に多いこと

成人女子用の既製服のサイズJIS規格はけっこう広範囲です。1977年・1981年に作られたらしいので鮮度はどうかなと思いますが(とくに身長)、それでもなかなかのものです。

ではなぜ売り場にある服のサイズは広範囲ではないのか?

たいして売れないサイズを作ったり仕入れたりして、たくさん売れ残ったら嫌だなぁっていうことだと思います。コストをかけても結局利益が出ないのは誰でも嫌ですからね。

「アパレル」「サイズ展開」で検索して見つけた記事です。この記事ほんとうにたくさんの人に読んでほしいです。

この記事では主にプラスサイズについての思いが語られています。

私としては「低身長+超骨太プラスサイズ+高齢者体型」の既製服がもし普通に売られていたら、泣きます。

まとめ

型紙が平均的(標準的?)な体型に仕上がるというのは、ある意味わかるんです。そこから個々の体型に合わせていくので、あまりクセのないところがスタート地点だといろんな展開がしやすいんだな、と。

少し高齢者に歩み寄ったスタート地点のパターンがあってもいいな、とは思いますけど。あまり知識のない人間にとって、どこをどのくらい補正すればいいのかというのは本当にわからなくて迷うので。

既製服については、みんなが服を作れる環境にあるわけじゃないので、サイズ展開くらいはもっとたくさんあってほしいです。

ぴったりフィットとは言いませんが、「少しでも着やすい服」が「買いやすい」状況。これって、そんなにも実現が難しいことなんだろうか。確実に必要なことなのに。

たとえばの話ですが、いろんなサイズの見本服を試着して「このサイズのこの服」っていうふうに買うことができるお店があるといいなと思います。服の種類は少なくても。ほしいのはサイズと、ちょっとした直しです。

もしそういうお店が本当に存在するなら、そういうお店がもっとたくさん増えて、誰でも買いに行けるような世の中になってほしい。

服は買うもの、売ってなければ諦めるしかない。だから体に合わない服を体にくくりつけて生きていくしかない。人生が終わるまで。こんなのっておかしいです。

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