あれ、3着目はどうしたの?て話ですね。
3着目はうまくいかなくて、得るところもなかったのでさらっと触れるだけにします。(無駄なことをしただけでした)
4着目のために、原型を作り直さなくてはなりませんでした。でもどこをどう変えればうまい具合にいくのかは、試しに組み立てて着てもらわなければわかりません。2度の試し縫いを経て、やっとちょうど良く着れる服が出来上がりました。
この記事は、苦労の末の4着目を縫い上げるまでの記録です。
3着目のブラウスはちょっと寄り道
原型を作り直すにあたり、2着目の前丈と後ろ丈(首の脇の付け根からウエストまでの丈)がほぼほぼ同じ事に気づきました。少し調整した数字ではありましたが。
ここでおかしなことを思いつきました。前幅・後幅も同寸にしてみたらどうなるのか?
若い人は前幅が広い、母は後ろ幅のほうが広い。その途中には前後同寸が存在する。母ほどの前かがみでなければ、前後同寸というのはひとつの方法なのではないだろうか。
……と、ここでやめておけば良かったのですが。母には合わないだろうとわかっていたくせに、作ってしまいました。前後同寸。うん、ただ作りたかっただけなんです……。^^;
4着目のブラウス、2度の仮縫いから完成まで
若い人の前後幅を入れ替えると高齢者向けになるのか
結論から言うと、そう単純な話ではなく個々に合わせて採寸するのが正解だと思います。そりゃそうだよね。
ひとまず、私がやったことを書いてみますと……
着丈で6cmの差をつけたいので、裾で3cm、上で3cmに配分することにしました。前丈を後ろ丈より3cm短く、前裾を後ろ裾より3cm短く。
計算値で出てくる(若い人用の)前幅と後ろ幅の寸法を入れ替える。
カマ丈・肩丈ともに、腕付け根まわり寸法より多くなるように調整、つまり実寸に2cmプラス。
そして、パターンメーキングの基礎の著者のサイトに「大きいサイズの計算式」があり、ここのCタイプの幅(カマ幅、前幅)のみ加減してみました。
着たときにウエストラインがどうなるのか疑問だったので、ウエストラインに糸でしるしを入れました。
ところが、着てもらうと、どうもしっくりしません。
後ろの、袖ぐり下の背幅線のあたりが余っているように見える。立ったときに前の裾が2~3cmあいてる。裾寸法の合計は足りているはずだったから、何か間違ったことをしているらしい。ウエストラインの印はそれほど傾いてはいない(水平でもないけど)が、ウエストラインをチェックすることがなにかの役に立つのか、いや、ほぼ意味はないんじゃないかと思いました。
それから……、少々疑問に思っていたことをチェックしました。脇の下とカマ底の間がどれだけあいているか。原型のカマ丈・肩丈のゆるみは2cmなので、脇の下は2cmあいていれば正解なのだけど、、
4cmもあいてました。つまりカマ丈・肩丈は2cm短くして大丈夫ってこと?いや、腕を上げた状態で見てはいけないのかもしれない。
じつは、腕付け根まわりの寸法が大きすぎるんじゃないかなと疑問に思っていたんです。こんなにどんどん肩丈を伸ばしていいのかなって。再度測ってみましたが、やっぱり50cmありました。
他にも少し測り直してメモを取り、帰宅。肩幅を測り間違えてた。^^;(測り間違いが多すぎる、なぜ?私もガタが来たのか?)
さて。
原型をどうやって作ればいいんだろう。つまり、寸法のバランスをどうすればいいのか。ちまちまとやっていても正解にたどり着けない気がする。突破口がほしい。
若い人向けの計算値を利用して高齢者向けの数値を出そうとするのは、ある程度までは有効かもしれないけど、その先は個々人の体に合わせる必要があるように思える。
どの数値で原型を作るか
少し整理してみる。
まず、母の服に求める事は何か?
袖に腕を入れる動作をしやすくするには、袖ぐりを大きくする・背幅を広くすることで対応できそうです。
ブカブカに見えないようにするには、首周り周辺や肩をちょうど良く合わせれば良いと感じています。大きめのサイズの既製服(Tシャツやトレーナー)を着ると首周りが余って見え、「ああ、サイズ合ってないな」という印象を受けます。
次に。今まで作った3着でよかったところをあげてみる。
1着目は、袖に腕を入れる動作がしやすそうだった。丈はちょうど良く直したのでそれを参考にすれば良い。このシャツの幅の配分は、前幅46.5cm。カマ幅16.7cm。後ろ幅48.8cm。裾幅は、前72cm・後ろ64cm。
袖に腕を通しやすいか否かは、背幅と肩丈で決まるのだそうです。(肩から肘の長さと肩丈の長さが近ければ着やすい)
このシャツの後ろ肩丈は24.5cm。(前肩丈は後ろより1cm短いので後ろだけメモ)
2着目は、前着丈と前幅(袖ぐりの中間あたりの高さのところで)がいい感じだった。前着丈は55cm。前幅は39cm。後ろ肩丈は23.7cm、カマ幅15.8cm。ちょっと袖に腕を通しづらそうな様子。
大雑把に言えば、1着目の前後着丈&前後裾幅を参考にしつつ、2着目の前着丈&前幅を再現してみれば良さそう。
気づいたこと:裾幅は前後に分けて考える
バストより上の幅は、後ろが広くて前が狭い。反対に、裾幅は後ろより前のほうが若干広く必要。
1着目のシャツの裾幅がちょうど良いので参考に考えてみますと、
後ろ裾幅:後ろ幅+カマ幅がそのまま後ろ裾幅になっている印象。採寸の後ろ幅と、このシャツの後ろ幅はほぼ合っているので、後ろ裾幅はとくに開く操作なしでいける。(体型的にヒップの張り出しを考慮する必要ない)
前裾幅:前幅+カマ幅と前裾幅には、約9cmの差があります。理由は、バストダーツをたたんで裾に開いたから。(ブカブカに余った分をタックで処理したあとの数値です。)
2着目&3着目を作ったとき、私は裾幅を前後に分けて考えませんでした。合計でヒップ+ゆとりより大きければ良いだろうと何となく思い込んでいて、背幅線で寸法を開くことはしたものの、前身頃で開くことはしていなかったのです。
結果、「寸法足りてるはずなのに前裾が足りない。どうして?」という状況が生まれていたのです。やっと理解できた!!
基礎がないから、どうしようもないポカなところでつまづきます。笑
幅の割り振り
裾幅は1着目と同様でOK。問題は、前幅・カマ幅・後ろ幅の数値をどうするか?ですが。
後ろ幅は採寸で46cmでした。何度か測りましたが同じなので、間違ってはいないと思います。
バスト112cmから後ろ幅を引いた66cmを、前幅とカマ幅に割り振れば良いということになります。半身で製図するので、56cm-後ろ幅23cm=33cm。
前幅は採寸では18cmでした。その寸法で作った2着目がいい感じだったので、これを採用したいのですが、、そうするとカマ幅が15cmになるので、バランスはどうなのか?というところが気になります。
前かがみになるということは、縦長のアームホールも少し傾くだろうと思うので、カマ幅を広く取るのは理にかなっているんじゃないかと思います。また、実際に腕もかなり太いので、カマ幅もそれなりにあるんだと思います。(採寸で12cmだったので、3cmも差があって良いのだろうかと思いましたが、、自分の採寸をどこまで信用するのか悩みます。(T_T))
前後の丈について
上半身(というより、脇の下より上の部分)の丈の長さについて。
前かがみでもなく、バストの位置が普通の人(垂れたおっぱいがおなかの上に乗ってるとかじゃない)は、前のほうが丈が長く必要ですが……。
バストの位置にふくらみがなければその分の長さは必要なく、前かがみなら後ろの丈が長く必要になります。2着目のブラウスでは、後ろのほうを若干ですが長く取りました。
これら、前丈や後ろ丈の長さを今回どう決めるか迷いました。採寸のときにウエスト位置がはっきりしないこともあってか、2着目のためにメモした数値の辻褄が合わず、推理?しながら調整しました。その数値で作った2着目と同じくほぼ同寸にしておけば良いのかもしれませんが、、
少し整理しておきたかったので、こんなふうにしました。
- 肩丈の計算方法にならって、後ろ丈を前丈より1cm長くする。
- 背中の丸みで少々窮屈そう?にも思えたので、後ろ中心のみを1cm長く補正する。
前後で2cmの差ができるので、残り5cmを裾で調整することにします。
肩丈は許せる範囲で長めに
肩丈は短くしても良さそうだけど、腕付け根周りが50cmくらいあるのは確かなので、カマ幅との兼ね合いで考えなくてはならない。そしてカマ幅はこれ以上大きくはできない。
ゆとり無しでアームホールの製図をしてみて、50cmに足るところでの肩丈を採用することにしました。結果、カマ丈25.5cm・後ろ肩丈20.5cm・前肩丈19.5cm。実寸+1.5cmです。これでアームホールが49.5cmになりました。たぶん、正確に採寸できていればこんな感じなんだと思います。
ちなみにトルソー原型はカマ丈・肩丈に2cm、カマ幅に1.4cmのゆとりが入るので、アームホールは54.4cmになりました。
4着目の原型&型紙作成
じつは……、
「このカマ幅と前幅はバランスがどうなんだろう、せめて15・18じゃなく14.5・18.5にしよう」とか、「肩丈はやっぱり大きすぎるような気がするし、ゆとりを入れ過ぎるのも変だよねぇ」とか、誰に対してのとりつくろいなのか?意味不明な考えに囚われてしまっていまして。
こんな気持ちのまま、あいまいな感じの数字で作った原型から、あまり思い切ったカスタマイズ(デザインではなくゆとりの量)もできずにブラウスの型紙を作りました。さらに、肩丈にゆとりを入れるために使った肩ダーツが残っていなかったので、前裾幅の不足分を重心線だけで開きました。
そうやって作った型紙を、どうでもいい布で念のため仮縫いして着てもらってみましたところ……。
まあまあ、悪くはないと思うけど、前幅が余ってる気がするし、袖に腕を通しにくいらしいのも気になりました。
帰宅して、写真も見ながら悩んだ末に決めました。
もう一回型紙を作り直そう、1着目のシャツの肩丈を採用しよう。切って操作してとかじゃなく、はじめから肩丈を長く取ろう。着るのは母で、他の誰かではないのだ。
着やすさを犠牲にして5ミリ10ミリの見栄を張ってどうする!シャァァァ!!
と、思い切ることにしました。
型紙に加えた変更点
まず、カマ丈&肩丈は、はじめから2cm長めに(トルソー原型の2cm+さらに2cm)とりました。肩ダーツを閉じて反動で肩丈にゆとりを……とかじゃなく。肩ダーツはそのまま残しました。
後ろ身頃は今回初めてヨーク仕立にしました。ダーツ分をたたみ、さらに左右にタックをとって背幅を広くとりました。本当は余分なゆとりは入れたくないのですが、袖に腕を通しやすくするための必要なゆとりだと割り切りました。
前身頃は、裾幅の不足分を確保するために肩ダーツをたたみ、それでも足りない分を重心線で開きました。
(このとき、原型を作り直して印刷し直して……という気力が残っていなくて。印刷してあったものの上から直しの線を入れました。そして、すでに写し取って作ってあったハトロン紙の型紙を再度それに合わせて切ったり貼ったりして済ませました。なので正確さに不安はありますが、、)
やっと、ちょうど良く縫い上がりました!
そして、今まで100円生地でしたが、ついに580円生地を使います!
もったいない心が働いて裁断した結果です。(洋服の裁断をするたびに、ほとんど裁ちくずの出ない和服の考え方の斬新さを感じます。)
縫い上がり。生地で見たときはいい色柄だと思ったんですが、服にしたらおばあさんくさくなってしまいました。まあ、着るのはおばあさんですが。
着用。今までで最高の出来です(笑)。腕を袖に通す動作も大丈夫そう。本人も気に入ってくれたようです。
袖周りと後ろが少しブカブカに見える気もしますが、着やすさを優先した結果です。
ストレッチ素材を使えば、ゆとりを減らしても大丈夫かも。
写真を見ていると細部が気になってきますが、現時点の私の知識ではカバーできません。何がどうダメなのかがわからないし、気にするべきなのか仕方がないのかもわからない。今後経験値が増えればわかってくることもあるかもしれません。
まとめ
服作りを再開してからここまで40日ほど。縫い上げた服は4着、組み立てた原型2着、どうでもいい布の試し縫い1着。作った型紙は5着分。ようやく母の服の原型らしきものを得ることができました。
やっとスタートラインです。
若い人の服なら、普通に作った原型もしくは少々の補正で済むと思います。しかし高齢者の体型はあまりに変化していると今回感じました。補正で済むレベルじゃないです。若い人の体型の原型をベースに修正を加えるという考え方ではないほうが、うまくいくと思います。
また、採寸の難しさも感じました。きちんと正確な採寸ができるなら、今回の最終結果に最短で到達できているわけなので……、最終結果が正確ならですが。
ソーイングは、こうしなきゃいけないっていう考えにとらわれると闇な気がします。思い切って、料理に例えるなら家庭料理のように、自由に融通をきかせるとうまくいくと思います。
私がやっているのはただのホームソーイングなのです。(←自分に言い聞かせてる)
どんどん作りますよ!
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